空の色も 雲の形も 自然の造形は とどまらずに常に変化する 人間も自然の一部なら 変わり続けることができるはず

自分に嘘をつくと 結局は遠回りに 自分に正直になることが 意外にも 一番 近道だったりする

女でありたくないわけではなく 男になりたいというわけでもなく どちらをも自由に行き来したいだけ

愛と憎しみは 表裏一体 昨日は表で 今日は裏

液晶画面の テレビ雑誌の 駅張りのポスターの ラジオの電波の その向こう側の 手の届かないあなたに 極上の片想い

許されないことだなんて言わないで 許すか 許さないかは 私が決める

ものさしは ひとつじゃない ひとつだと思うのなら そう思わされてきただけのこと だから そんなに 絶望しないで

幾度となく よろめきながら ひき返す 崖っぷち 堕ちていくのは簡単 踏みとどまるのは至難

網に捕らわれた蝶のように あなたの腕の中で 無駄な抵抗をしてみたいわ 決して逃がさないでね

湿り気を帯びた夜の街を 泳ぐように彷徨いながら もう少しだけ歩きましょうね 行くあてもない私たち

掌を合わせ 瞼を閉じて頭を垂れる 救いの言葉が降りてくるのを待っている

くちびるでダンス それはＫＩＳＳのことよ ふたりでつくりだすステップ 瞼を閉じて踊るのに 世界は薔薇色

風の囁き海の呟きそして あなたの寝息

私の言葉が あなたの透明な心の 表面に 落ちる それは 幾つもの波紋を描き あるものは浮かび あるものは沈んでゆく あなたの心の 透明で 流れのない中へ おそろしくゆっくりと 沈んでゆく あなたの心の底に 不透明な 澱となって 沈んでゆく

春の宵は ほのかに白く光り異界への扉がそこかしこに隠されているかのようになまめかしく 狂おしい